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バレエは基礎が命!

と言いますが、何で基礎がそんなに大事なのか。
基礎のための基礎を学んでも踊れるようになれませんしね。
もちろん運動神経、音楽性、踊り心、芸術性なんかもすごく大事です。
でも、よく言われていることは基礎とは土台のことであり、土台がしっかりしていなければ上物が積み上げられないからということ。
もっと突き詰めていくと、踊るクォリティを上げるために大事な基礎について、6つのことが挙げられると思っています。

まず最初に、基礎というのは長い年月をかけて先人たちが気付き上げてきたものだということ。
バレエで言えば16世紀にイタリアで産声をあげ、その後フランスでルイ14世時代に技術が体系づけられ、19世紀にロシアで花開きました。
その後も数々の巨匠が現れ、現代バレエが築き上げられました。
こういう歴史の中での経験が積み重ねられ、今のバレエの基礎というものが確立してきたのです。
先人たちのものすごい努力の賜物なのです。
だから私たちが一朝一夕で基礎を身につけるなんて離業は難しいのです。
そこで教授法(メソッド)や解剖学が大切であり、ボディワークやメンテナンスも重要になってくるわけです。
闇雲にレッスンしていても効率悪いどころか、一生基礎が身につかないなんてことにもなりかねません。

2番目に言えることは、基礎力の延長に応用力があるということ。
日本の伝統芸能では型破りという言葉があります。
これは闇雲にという意味ではなく、型を身につけているものが応用として、あえて型を崩すことを言うのです。
型が身についてない人のことを型なしと言います。

3番目に、効率化は基礎あって成り立つということ。
これは想像つきやすいと思いますが、基礎がない人は何をやっても遠回り。
一流のプロは最後まで基礎を大切にして、基礎が乱れていないかチェックします。
それが仕事をする上で一番効率が上がるからなのです。
スランプに陥ったとき、戻るべき場所は基礎です。
トッププロがバレエのクラスをとても大事にしている所以です。

4番目は、基礎を身につけているうちに無意識に動けるようになるから。
体が勝手に正しく動けたらばっちり。
基礎がない人は体が勝手に正しくない使い方をします。
無意識に間違っています。
マッスルメモリーというのがありますが、一度覚えた体の感覚は修正するのはそれまでの倍以上の努力が入ります。
小さいうちに基礎を正しく!というのはこういう理由があるからなのです。

5番目は基礎力は自信につながります。
自分の能力を高めてくれたのは基礎です。
基礎を身につけていると、その先がスムーズです。
その基礎を身につけるまでには長い時間と努力を費やすことになります。
だから基礎を身につけるだけで自信につながるのです。
不安な時、スランプに陥った時、難しいエクササイズや振り付けに出会った時、基本は戻る場所でもありながら心の拠り所でもあります。

最後6番目は、基礎力こそ急成長の原動力だということです。
基礎を身につけるために練習を重ねているうち、ある時から急成長することがあります。
よくスポーツ界でも時々急成長した選手が現れて話題になりますが、こういう選手はすべからく基礎練習の賜物です。
基礎を身につけるためには、時に今までやってきたことを捨てなければならないこともあります。
人間は「今まで通り」が楽です。
今まで通りのやり方だったら5回も6回も回れる。
でも正しくなかったら評価はされませんし、いずれ抜け出せないスランプに陥ったり伸び悩んだり、果ては怪我につながるのです。

基礎を学ぶには若ければ若い方がいいです。
小さい頃からヴァリエーションの練習ばかりしていては基礎は身につきません。
地味でも先々のことを考えてコツコツと。
バレエがうまくなりたければ、実は基礎を身につけることが近道だったということになるのです。

いいバレエをたくさん見て、たくさんの芸術やエンタテインメントに触れ、インスピレーションを蓄えて。
よく理解して自分の考えを持って。
情緒を育むことも基礎力のうちです。

留学や海外バレエ団を目指す子には、早く気づいて頑張ってほしいです。

私はバレエ教師である限り、最大限に正しいバレエを伝え続けたいと思っています。
それが使命なのかな。
勉強するほどに新しい発見もあり、バレエ探究の旅は永遠に続きそうですけどね。

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