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YAGPを終えて 〜生徒の育成について〜

  • 2019.11.15

時間の経過は早いもので2019年10月YAGPを終え、あっという間に日にちが経ってしまいました。
今年はうちのスタジオから出場した生徒が昨年から着実に成長を見せてくれクラシックシニア部門TOP12に選出されました。
必要と思わなければオーディションならともかく、むやみやたらにコンクール出場を勧めないのがうちのスタジオのポリシーですが、昨年のYAGP以来1年ぶりのコンクールで彼女にとって初めてのコンクール入賞がこのような栄誉あるもので私もとても嬉しく思います。
本番の舞台で彼女のオーロラの演技を観てくださっていた方からは、「コンクール向けの演技ではなかった。」「まるで本番さながらで、存在からお姫様でした。」という大変嬉しいお言葉を頂いたそうです。
基本を大事に、丹精に、作品に忠実に、そして内面から自分そのものがその役になって踊るということを大切に指導してきたことを評価していただけたのだと思います。
彼女は昨年に続き今年とYAGPに出場して、多くの刺激と学びを得ることかできました。

昨年のYAGP以降、彼女は身体改造に本気で取り組み始めました。何より変化したのは彼女のメンタルの強さとぶれない覚悟だったように思います。
また、今回もYAGPでたくさんの若い生徒達を見ていて思ったのですが、やはりどのようなスタジオから出場するか、どのような教師のもとから出場するかが大事だと感じました。
知識が乏しく、自覚を持たせられない、基礎を教えられない教師のもとから何度YAGPに出たとしても、生徒は結局何が自分に足りず、何を努力し成長しなくてはならないのか、自覚することができません。
この素晴らしいYAGPという舞台を大きな学びの場にするか、ただのお祭り参加の場にするかは教師やスタジオ次第だと感じました。
今回、TOP12に選出された当スタジオの畑石衣世は、きちんとしたバレエ教育をパークサイドバレエスタジオで受けられなければ、埋もれてしまった才能かもしれません。

事実パークサイドバレエスタジオに来るまではコンクールにいい思い出はなかったそうです。ましてはコンクールを楽しむことなどできなかったそうです。

振り返れば約2年前に彼女が当スタジオに来たときは、片足で立つこともおぼつかなかったくらいですからね。
その子にどこまで自覚を促し、覚悟を持たせて成長させられるか。
それは教師の正しい導き方と生徒のたゆまない努力次第だと痛感いたしました。

努力することは人間性にも大きく寄与しますが、自主自立、自ら探究し行動に移す積極性や貪欲性も育まれました。
考える力、解決する力は人に覚悟するという自覚を芽生えさせてくれます。

この彼女の変化と成長が拡大持続して、さらに一歩一歩夢に近づけますように私たちバレエ教師も緊張感を持って指導にあたらねばと思います。

また、咲くはずの才能を持つ子達の花を、正しい指導と努力の下で一人でも多く咲かせてあげられますように心から願ってやみません。
若い情熱と貴重な時間をどうか後悔のないよう私たちと一緒に共有できたらと思います。


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